■起業のきっかけは
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代表取締役
辻本 勤 氏 |
『両親に「和歌山へ帰ってこい」と言われたのがきっかけですかね。妻も同郷(広川町)出身で幼なじみ、しかも実家も近所です。長女が生まれるのを機に、大阪から広川町に帰ってきたのが、昭和53年1月、27才の時でした。
社会人としてから携わった仕事といいますと、営業という職種とアルミ押出し型材を利用したビジネスしか知りませんでした。中途半端なアルミの知識、技術、営業力で和歌山県下の需要も考慮せず、今から考えますとかなり無鉄砲な行動でしたので、家族も友人もかなり心配していたと思います。しかしながら「情熱」だけは人一倍もっていましたので、私自身はごく自然な形でアルミ型材加工の商売を始めた訳です。
当時は建築用金属製品がスチールからアルミに変わっていく過渡期の時代で、運が良かったのだと思います。大手も参入しにくい分野の製品であったため、小さな倉庫で最小限の設備で自分で加工したサンプル製品をトラックに積んで、電話帳で調べた県内全ての金物店、サッシ販売店、建材店など建設関連に携わっている個人、企業、団体を含め営業に廻りました。高速もない時代、新宮−広川間を二往復したこともあり寝る間を惜しんで営業活動を行うと、半年も経つ頃ようやく軌道に乗り始めました。妻には経理を手伝ってもらいながら夫婦二人三脚で事業を行ってきた結果、墜落防止アルミ手すり製品では県下でそれなりのシェアを占められるようにまで成長し、昭和59年に法人化を行いました。
そして平成6年には新社屋、新工場を現在の場所に建設したことをきっかけに【We are Working on the Tide of Archtecture We are Working with the Spirits of Top】
《日進月歩してゆく建築の流れに調和し、私達自身も成長し、全身全霊で仕事に取り組んでゆきます。》の心を表す頭文字を取った社名に改め、大きい会社を目指すより色々な意味で良い会社を目指す「株式会社タスト(TAST)」として新たにスタートを切っています。』
■これまで一番大変だったことは
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| BL-T型 持出し堅格子シリーズ |
『平成5年に財団法人ベターリビングから、優良住宅部品「BL手すりユニットT型」として認定取得したことですね。
この(財)ベターリビングとは、国土交通大臣の指定機関で確認検査、住宅性能評価等を行う財団法人で、主に「優良住宅部品認定事業」として安全で快適な「住まいづくり」のために、品質・性能及びアフターサービス等に優れた住宅部品を「BL部品」として認定をしているところです。
この認定を取得するのに、自社工場での試験を繰り返し、書類を何度も作り替え1年がかりで準備しました。大手企業には取得しているところはあったものの、我々のような小企業には未知の領域でしたから・・・(生みの苦しみで、今では申請時のノウハウも身につけましたのでここまでの苦労はありません)。
この時には我社の主力製品であるアルミ手すりユニットも大手や同業他社が多く参入してきており、同財団の認定を取得することで、大手・他社との差別化した製品づくりを行う必要がありました。
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| 製品認定書 会社登録証 |
特に申請を行う書類づくりが大変で、社員も20名程度抱えていましたが営業と製造で手がいっぱい。サポートはありましたが、申請に関してはほとんど私一人で行いました。また、タイプ別・強度別等様々な種類で個々に取得する必要があり、今ではBL−U型に進化させたものも含めBL認定が5品目20種類程度、自社製品で認定されています。この認定が単なるアルミ加工工場と自社ブランドの認定を持つBL認定メーカーとの大きな差であったのではと、私は考えています。現在では全国で約30社の同種のメーカーが存在し、関西にある5〜6社の中の1社に名前を連ねており、関西圏を中心に我が社のブランドの製品を出荷しています。』
■人材育成について
『人材育成については、教えて育てる「教育」ではなく、共に育つ「共育」が大切であると中小企業の集まる勉強会で教えてもらったことを実践しています。チューリップの歌の歌詞の中に“並んだ、並んだ、赤、白、黄色 どの花見てもきれいだな♪”ともあるように、人はそれぞれ姿・顔・形が違うのと同様に違った色を持ったすばらしい個性があります。共に育つということはそれぞれ持ったすばらしい個性を大事にし、その個性にあった部分をみんなで伸ばし合い、その個性同士足し合わせることで、社員同士のやる気と知恵が出て、その前向きな気持ちで、製品を作ることが社会にも貢献でき、Goodな会社づくりができると確信しています。つまり人材育成とはすべての出発点であり、人にプラス!製品にプラス!会社にプラス!社会(地域)にプラス!になると考え、会社経営を行う中で最も重要であると考えています。』
■座右の銘は
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| 工 場 内 作 業 風 景 |
『私の座右の銘は、『BigよりGoodに向かって』です。“大きな会社”よりも“良い会社”を目指した会社づくりを行っています。では良い会社とは「明るく、力強く、ユニークに発展する会社」が私の考える良い会社です。これを実現するために常に何か『プラス』になるように考えて会社運営をしています。
具体的にどのようなことをしているかというと、社員が幸福感が無かったり、心が豊かで無かったり、思いやりが欠けていれば、良い会社にはなりません。そこで当社では、この厳しい競争社会の現実から下請けであっても「自分達の会社は自分達で守る!」ということを念頭に県内では小企業でありながらいち早く2000年にI・S・O認証を取得し、P(計画)→D(実行)→C(確認)→A(改善)を繰り返すことによって、社員の持っている能力を十分に発揮させ、気持ちよく仕事できる環境作りを行っています。これはただ与えられた仕事をこなすだけでなく、自分たちで考えてものづくりを行っているというやる気という気持ちを『プラス』しているわけです。
次に製品づくりではBL部品認定を『プラス』している他に最近の新製品で超高層集合住宅用アルミ手すりユニット、アルミルーバー製品に「振動音」「風切り音」防止の構造を『プラス』した高付加価値の製品を開発しています。
次に地域に対しては社会貢献を行っており、平成6年に本社をこちらに移転してからは月に一度地元小・中学校の通学路である会社近くの交差点立ち、交通指導を続けています。また地元中学校からは約10年前から体験学習の受け入れも行い、子供達にモノづくりの重要性をアルミ材料を使った「本立て」やミニチュアを作成したり、簡単なライン行程を任せることで学んでもらっています。このような活動が認められたのか、その活動に『プラス』されて(財)地域総合整備財団(ふるさと財団)から「平成19年度ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」をいただきました。
最後に会社に何が『プラス』されているかというと、名前そのものが『プラス』です。英語で良い会社を目指す意味の頭文字を取った意味の他に「TAST」=「タスト」=「た(足)すと」=「+と」と常に何か一つ“プラス(足)していく”ことですべてを良くしていこうという意味も込めています。
あと最後が背伸びした説明になったので笑い話として、「TAST」=「T(辻本:つじもと) A(アルミ) S(ステンレス) T(勤:つとむ)」にも掛けています(笑)。』
■ふるさと企業大賞を受賞して一言
『受賞に関しては晴天の霹靂で大変驚きました。受賞する事で、逆に責任を痛感いたしました。私としては“普通”の事を当たり前にしてきただけの事だったので・・・。しかしこの“普通”という事が一番困難でもあり、また幸せでもあると思う中で、どう社員に伝えよう考えていた時、このような形で賞を頂けたことで、社員にその困難さと幸せを伝えられましたし、会社にもプラスになって本当に良かったと思います。今後もこの受賞を社員(人)に、製品に、会社に、地域(社会)にプラスにしていきたいと思います。』
★☆★ふるさと企業大賞とは、地域振興に資する事業活動を実施している民間事業者を顕彰する制度★☆★
詳しい制度概要はこちら http://www.furusato-zaidan.or.jp/navi_02/info.html
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